今回のタイプは、清涼感とスパイシーさを含む蜜香。ほのかにフルーティー&フローラル。
以下「烏棟山」のご紹介。
単叢の中でも一番人気があるのが、この蜜蘭香。
大紅袍が烏龍茶の王様ならば、この蜜蘭香こそが「烏龍茶の女王」と呼ぶに相応しいのではないでしょうか。
実に華やかで気品のあるお茶です。
飲む前に蓋を嗅いでみて下さい。マスカット系の果実を想わせるフルーティーで芳醇な香気にうっとりしてしまいます。口に入れると、蜂蜜のような甘味。奥深い滋味。これらを特有の収斂味がキュッと引き締めてくれます。
そして最後に喉奥から押し寄せてくる香りと甘味の余韻、そして余韻、、、。
これが何煎も続くのです。
鳥棟山のお茶:
広東省潮州の鳳凰山区にある山々。中でもひときわ高い鳥棟山【標高1,300m】で栽培されるお茶には、特有の余韻(山韻)があります。果実や花を想わせる香気に、蜜の味わい。そしてそれらを一度に引き締める収斂味。これらが程よいバランスで調和しているのが当店の烏棟単叢。当然、香料など使っておりません。是非味わって頂きたいお薦めの逸品です。
この地方に伝わる伝説では、南宋末期の皇帝がお茶を飲んで感激したのが宋種のはじまりと言われています。山の頂上に「天池」と呼ばれる幻想的な池がありますが、その地には皇帝が隠れたとされる穴が今でも残っています。このあたり一帯は霧が非常に深く、佳い茶葉が育つ完璧な環境が整っているのです。
淹れ方
単叢の淹れ方は少し特殊ですのでご注意ください。以下、実際に現地の村で一般的な淹れ方をご紹介します。
1.まず湯をかけ温めた蓋碗(茶器)に、少し多めの茶葉を入れます。
2.熱湯を注し、すぐに捨てます(洗茶)。これによって茶葉の開きが良くなり、「角」の取れた味わいになります。
3.これに熱湯を再び注し、蓋をして、20秒〜30秒の短い時間で抽出してください。(単叢はタンニンが多く含まれているため、長く置くと苦くなりがちです。甘味が出たところでうまくカット)
4.蓋碗の蓋で軽く灰汁を取ります。そしてあまり蓋碗を高く上げ過ぎずに低い位置から直接各茶杯に回し入れます。(茶海を使ってもOK)
※二煎目以降は茶葉の開き、茶湯の濃さを観ながら調節してください。(やはり短めの抽出時間で)
かなり煎を重ねることができます。煎ごとの変化もお愉しみください。