最高レベルの岩茶。十数年前に登場したSUGOI肉桂が戻ってまいりました。
時代が変わり価格もすごいのですが、全く同質のものを最入荷しました。過去と現在で、どう違うのかを探るのも面白いと思います。
じっくりと岩茶の誘う異次元の世界を、愉しまれては如何でしょうか。(年末年始おすすめ)
以下、肉桂の説明----
蓋香には高貴な花香と乳香。水香は繊細で優美な花香、入口は清甘、すぐに余韻も現れます。
このお茶は、日照時間が短く昼夜の温度差が大きい爛岩の山で成長しました。
伝統加工、炭火復焙を経て、天然の岩骨、花の香りが醸し出されます。
この地には茶にまつわる伝説も多く、古来「岩茶」は神薬と崇められ、人々の生活に欠かせないものだったことがうかがえます。
現代社会においては、科学的検知から健康への福音が多くもたらされています。
以下、以前の「SUGOI肉桂」説明−−−
その名も「SUGOI肉桂」!
あまりにも凄すぎるお茶なので良いネーミングが浮かばず・・・仕入れ検討時に私たちの間で自然とついていた呼び名「すごい肉桂」をそのまま商品名にしました。仕上げは「清香型」とまではいきませんが、一般的な岩茶よりも発酵度が低く中火焙煎でやや軽めに仕上げています。
この茶葉はとにかく香りが素晴らしいのです!上品かつシャープなキンモクセイを想わせる香りが漂います。それは決して濁りを生じさせず、あくまでも透明感のある高貴な香りです。また柔らかい乳香もかすかに含んでいます。これらが絶妙なバランスで広がります。そして喉を通った後、しばらく余韻が残ります。
味わいも雑味が一切無く、非常に透明度の高い味わいでありながらもしっかりとした厚みのある甘味・旨味が滲み出ております。武夷山の岩の養分を十分吸収して元気に育った茶樹ならではの素晴らしさです。
おそらくこのレベルの岩茶は日本でも中国でも入手困難ではないでしょうか。来季も同じ状態でめぐり合えるか分からない最高傑作です。是非この機会にお求め下さい。
【飲み方】繊細なお茶です。香りをそのまま100%愉しむために蓋碗などの磁器でお愉しみいただくと良いと思います。(お湯を注いだ瞬間から素晴らしい香りが立ちます。蓋に残った香りもぜひ確かめてください)
じっくり、何煎も何煎も時間をかけて飲んであげてください。口に入れるのは少しずつで結構です。煎を重ねるごとに心が静まり、本当の岩茶の素晴らしさが実感できることと思います。
製茶師は2006年に「国家無形文化遺産」の一人に選ばれた方。とても真面目で誠実な方で、人柄がお茶に現れる典型例です。
採茶地は武夷山北斗峰の下にある牛欄坑(「三坑二澗」で知られる狭義の「岩茶」が採れる最高の場所の一つ)です。
【店主より―かなり岩茶びいきの「本音」―】
何が何でも岩茶なのです!
店主が絶海の孤島に一種類だけ茶葉を持ち込んでいいといわれれば、迷うことなく岩茶を選びます。火のおこし方?それはおいおい考えることにして・・・とにかく何が何でも岩茶なのです!山登りにもよく行きますが、限られた荷物に必ず入れておくのが、やはり数グラムの岩茶。あれこれ迷っても、結局落ち着くのは岩茶なのです。
【岩茶の魅力とは?】
あくまで個人的な意見ですが・・・烏龍茶の中でも岩茶は特別な存在だと思います。他の烏龍茶に比べ香りは控えめでパッとしない印象があります。これは一般的な烏龍茶の尺度で岩茶を評価するからです。
他のお茶は主に鼻や舌でその素晴らしさを実感するものですが、岩茶は少し違います。岩茶は身体全体で感じるものだと思います。
さらに、茶葉にもよりますが、小さな茶壷で淹れますと一回分の茶葉で15煎近く飲めたりします(なかなか経済的)。多くの岩茶は最初の数煎も良いのですが、中盤から特に美味しくなっていくようです。この煎ごとの変化も魅力ですし、個人的には徐々に透明感が増して、トロリとなっていく感じが堪らないのです。
私は半日〜丸一日使って、小さな茶杯でチビリチビリとお湯になるまで飲むのが好きです。茶杯にもほんの少しだけ入れコロリと舌の上で転がします。それは一滴、一滴貴重な黄金のしずくを体内に取り込んでいく感覚です。透明感がありますがエキスはとても濃厚です。煎を重ねるごとに、霧が立ち込める幽玄な世界に引き込まれ、時間の感覚も曖昧になっていくことでしょう。つまりリラックス度No.1のお茶でもあるのです。
【他人には言えないけど、こんなシンプルな飲み方も・・・】
あまり格好の良い飲み方でありませんが、中国ではよく見かける美味しくてめちゃくちゃ簡単な方法をご紹介。
必要なものは耐熱性のコップと蓋になるものだけです。
1.まずコップに湯を注しあらかじめ温めておきます(湯は捨てます)。
2.そこにかなり少なめの茶葉を入れます。
3.これに茶葉が踊り出すほどの勢いで熱々の湯を注いで、上から小皿でも厚紙でも良いので蓋をして蒸らします。
4.茶葉が底に沈んで、湯が程よい色になれば飲み頃です(濃さはお好みで)。
この方法ですが、普通の淹れ方と比べて、甘味・エキス感がとても強く感じられるはずです(その代わり、香りはまあまあです)。また、しばらく置いておいても、意外と苦くなりません。お湯がなくなればまた注ぎ足してください。2-3杯は飲むことが出来ます。
※ポイントは100度に近い熱湯と少なめの茶葉です。低い温度では茶葉が沈まず、口に入ってきて飲みづらいです。また、茶葉の量を少なめにするのは、長めの抽出時間で茶湯が濃くなり過ぎないようにするため。そして、数煎分の味を一度に愉しもうと言うわけです。(茶壷で淹れるときは一煎目と二煎目を茶海の中で混ぜ合わせたりしますよね)また、中国では多めに茶葉を入れますが、少なめの茶葉で長く抽出するほうがお勧めです。
以上、拍子抜けするほどシンプルな飲み方ですが、ぜひ一度お試しください。一味違う岩茶の魅力に巡り合えるはずです。
※岩茶の産地である武夷山は1999年に世界遺産に登録され、国家重点自然保護区となっています。