珍品:誕生の背景を「味わう」悠久の紅茶「50年老樹(正宗)」。
太平天国戦乱のため北へ移動し、新天地で創った紅梅薫る紅茶。
品種は古樹群体種。清明節後の茶葉を正山小種の製法で…。
産地:
中国の古都、浙江省杭州。トップブランド「龍井茶(緑茶)」の主産地として有名です。
「九曲紅梅(龍井紅)」と「龍井茶(龍井緑)」は、「一紅一緑・杭州双絶」と称されます。
時代背景:
太平天国戦乱期:清朝の支配に反する農民の反乱:1851から14年間。
(明末清初戦乱説もあります。ここでは清朝太平天国戦乱説に軸を置いています)
地域について:
福建省武夷山(九曲渓)から 浙江省杭州(?山区域)へ。
誕生の背景:
岩茶(烏龍茶)・正山小種(紅茶)でお馴染みの武夷山に暮らす村人(桐木関や周辺)が、戦乱のため次々に北へ移動し、一部(貧困茶農世帯)は、浙江省(杭州?山附近)に逃れました。
彼らは元々飲茶の習慣を持つため、荒れ地を開拓し食料や茶樹の栽培を始めました。
故郷、福建省武夷山の発酵茶「正山小種(紅茶)」の工程を基に、新天地で誕生させた紅茶が、浙江省杭州の「九曲紅梅」なのです。
九曲紅梅は、この地の肥沃な地質や茶種により、新たに「紅梅香」という個性が生まれました。
よって、正山小種の烟熏(燻香)工程は不必要となりました。
※武夷山の伝統正山小種は「桂園香」といわれますが、それは馬尾松(松)で烟燻される香りです。
茶農たちの力強い想い:
このお茶が現在でも評価を受けるのには、名前の持つ意味も大きかったのではと思います。
故郷の武夷山を潤す九曲渓と、戦乱の新天地で創った紅梅香の名を二文字ずつとり「先に九曲、後に紅梅」と美しく整えて並べてあります。その思いを名に刻み、世に遺した力強さに感動します。
戦乱(阴差阳错)
産地では「?差??:戦乱の中、偶然間違いが起きた結果、生まれたお茶」と云われています。
実は、製茶の手本となった武夷山の正山小種も、戦乱の最中、偶然が重なり、生まれた紅茶です。
但、そこには偶然という言葉には収まりきらない、生きていくための執念を感じずにはいられません。若しかすると、明るい時代が訪れることを願ってつけたのでは、と…。
久しぶりに、九曲紅梅を淹れたくなりました。
ゆっくりと丁寧に、23年前初めてこの地を巡った時の、優しい人々の香りに酔いながら。
◎他にも細かい背景はございますが、ここでは紹介しきれませんので、ご興味のある方は更に調べてお楽しみくださいませ。
-----淹れ方(参考例)-----
蓋碗/4g/90℃/山泉水・純浄水
-----このお茶についての情報 -----
浙江銘茶の唯一の紅茶でブランド力も価格も高めとなります。
品種は古樹群体種。清明節後の茶葉を正山小種の製法で作ります。
50年以上の老樹から作られました。
-----マメ知識------
略称:「九曲紅、龍井紅」別名:多数
1886パナマ万博金賞で世界に認知。